スイカ事件【№2】
2016.07.26|
カメラで景色や人、
物の写真を撮る場合、
その被写体自体には
変わりがないので、
ある意味似通った写真になり、
創作性が問題になるのは、
写真の撮影手法や現像等に
限られるとも考えられます。
誰かがスイカの写真を撮ったら、
他の人が似たようなスイカの
写真を撮れないというのも
おかしな話ですよね。
この点について
本件で「東京地裁」は、
類似性の検討に当たっては、
特段の事情のない限り、
被写体の選択、組み合わせ及び
配置が共通するか否かではなく、
撮影や現像の手法を考慮して
判断する必要があるとして、
著作権侵害、著作者人格権侵害を
いずれも認めませんでした
(東京地裁平成11年12月15日判決)。
これに対して「東京高裁」は、
被写体の選択、組み合わせ、配置等
において創作的な表現がなされている
場合には、著作権法上の保護に
値する独自性が与えられることは
あり得、被写体の決定自体における
類似性も考慮の要素となるという
判断をしました
(東京高裁平成13年6月21日判決)。
何を撮るかということも、
著作権の類似性の判断の
要素となるということです。
本件では、
屋内に撮影場所を選び、
スイカ、、氷、
青いグラデーション用紙等
を組み合わせていることを
理由に挙げ、
被写体の決定自体に独自性を
認める余地が十分認められる
としました。
その上で、2つの写真の
共通点、相違点を検討した上で、
類似性を認め、著作者人格権を
侵害するものと認めました。
ひとくちにスイカの写真と言っても、
対象物の選択、組み合わせ、
配置の決定に、格別の創作性が
認められる場合がある
ということです。
ちなみに、Y写真の右上に
配置されているものは
スイカ(西瓜)でなく
冬瓜なのだそうです。
東京高裁は、この点も含めて、
X写真とY写真の相違点は、格別に
意味のない相違と判断しています。
※海外のスイカは、楕円形で、
皮の緑色のラインも薄いですよね。
どちらかというと冬瓜に近いような。
私は日本のスイカの方が好きです。
【終】
【suicaインすいか】