先日の講演会【№2】
2016.06.06|中井 克洋
そして今回集まってこられた先生方は、運転再開のためのプログラムや判断根拠を、客観的に誰でも判断できるようなシステムを作るべく努力されておられました。
例えば、我々の前に講演をされた大分市の井野辺病院総合リハビリテーションセンターの作業療法士加藤貴志先生の発表はとても説得的でした。加藤先生は「運転再開の関わりと現状」という講演をされたのですが、運転再開のために検査結果だけでなく実車運転の状況もビデオで撮影して、テスト・検査結果だけではわからない運転上の問題を精査した上で、運転再開についての判断のための診断書の基礎となるような情報を得ているというご報告をされました。とてもシステマチックかつ説得的であり、感動いたしました。
また、今回の企画をされた広島市立リハビリテーション病院の作業療法士の松原麻子先生はとてもエネルギッシュな方です。このような研修会の企画を主催するだけでなく、アメリカに何度も行って勉強するなど、運転再開を望む患者とご家族のために少しでも役に立ちたいというとても熱い気持ちをもって精力的に活動しておられ、こちらもがんばらなきゃ、という気持ちにしてもらいました。
私のライフワークの1つである高次脳機能障害の患者とご家族がよりよい人生を取り戻すことに少しでも寄与したいという観点からすると、運転再開は非常に重要なテーマです。これについて、安全策をとって「運転しない方がいい」というのは簡単ですが、これからは、運転再開において何が問題となっているか、どうしたら運転再開の道を探していけるか、についても、ぜひこれから研究していきたいと思いました。
とても有意義な一日でした。
以 上