「小室哲哉さん KEIKOさん 高次脳機能障害」
2018.01.22|甲斐野 正行
先週金曜(1月19日)以来、小室哲哉さんの不倫報道から引退発表というショッキングなニュースが世間を賑わせましたが、その背景として小室さんの奥さんのKEIKOさんの介護のストレスの話が語られていました。
KEIKOさんは、2011年にくも膜下出血で倒れて一命は取り留めたものの、後遺症として高次脳機能障害を発症し闘病中とのことでした。
人の脳は、イラスト(「秦順一の中学生の知識でわかる私たちの身体の不思議」http://www.jhata99.org/fushigi/314.htmlより)のように、大まかには、脳幹という、呼吸や心臓の動きをコントロールしている部分があり、その上に、大脳辺縁系という、感情や食欲・性欲などの本能をコントロールする部分があります。そして、それに覆い被さるように、私たち人類が発達させてきた大脳新皮質があり、ここが記憶する、思考する、学習する、判断する、感情をコントロールする等の高いレベルでの機能、つまり、高次脳機能を担っています。
交通事故等の外傷やKEIKOさんのような脳血管の病気により脳がダメージを受けると、この高次脳機能に支障をきたす症状=高次脳機能障害が現れることがあり、その症状は、覚えられない、ぼんやりしている、どこが悪いかなかなか自覚がない、子供っぽくなった、人間関係を作るのが下手、一つのことにこだわる、すぐに怒る、がまんができない、いきあたりばったりの行動をする、落ち込んでも何もできない、道具がうまく使えない、しゃべれない、など多様です。そして、脳の問題なので、外見上は、発症前と変わらず、第三者には見えにくく、理解してもらいにくい、という悩ましい後遺症です。
詳しくは、当事務所のHPの高次脳機能障害のページ(https://www.maple-law.jp/service/koujinou/index.html)や、高次脳機能障害を専門とする弁護士のHP(http://www.koujinou.com/)、NPO法人高次脳機能障害サポートネットひろしまのHP(https://koujinou-net.hosei.or.jp/)をご参照ください。
高次脳機能障害は、ご本人のお苦しみもそうですが、ご家族のご苦労も並大抵ではなく、不倫はともかくとして、小室さんが、さぞ大変な心労やストレスを感じていたであろうことは容易に想像できます。
これを機会に、高次脳機能障害となったご本人やご家族の塗炭の苦しみを少しでもマスコミも含めて世間の方にご理解いただければと思います。
「交通事故で脳を損傷した被害者と家族はどうすべきか」というサイト(http://jikono.net/)では、交通事故で脳を損傷した被害者とそのご家族にインタビューした記事を掲載しており、これをお読みいただけると、そのご苦労がリアルにお分かり頂けると思います。