「日本ではインフルエンザが流行 中国では新型コロナウイルス? 会社としての危機管理~できるところからの予防」
2020.01.14|甲斐野 正行
これから入試シーズンですし、その後も東京オリンピック・パラリンピックを控えて、衛生管理に気を遣うところですが、厚労省の今月10日の発表によると、昨年12月23~29日に全国約5000の医療機関から1施設あたり23.24人のインフルエンザ患者が報告され、報告対象外の医療機関も含めた全国の患者数は、この1週間で約87万7000人と推計されるとのことです。
都道府県別では、山口が1医療機関あたり38.39人で最も多い。秋田33.61人、大分30.78人、山形30.28人と続き、インフルエンザ流行の警報を出す基準(30人)を超えているそうで、全国的に流行の気配です。
現在、検出されているウイルスのほとんどが、2009年に新型として流行したH1N1型だそうです。
一方、海外では、昨年12月以降、中国湖北省武漢市で原因不明の肺炎が多発しており、中国中央テレビは今月9日、複数の患者から病原体と推定される新型のコロナウイルスが検出されたと報じました。
インフルエンザや鳥インフルエンザの可能性は排除され、コロナウイルスが原因で発症する新型肺炎(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)とは、種類が異なるものだということです。
2002~2003年のSARS流行のときは、中国政府はこれを隠蔽して対応が遅れ、厳しい国際的批判を受けたためか、今回は早めに発表したようです。
SARSやMERSでは、人から人に感染するウイルスだったために、入院した患者から別の患者や医療者への感染が病院内で起きて大問題となりましたが、現段階では、この新型コロナウイルスについては、まだ感染経路等も明らかではなく、院内感染が起きたという事例はないようです。
最後の患者が報告されたのが2019年12月29日で、まだこの新型ウイルスが感染してから病気を起こすまでの潜伏期間も分かっていませんが、既に武漢を訪問していた韓国人が肺炎を起こしたことも報道されています。
現時点でこうした感染症対策として、とりあえずできることは、政府広報サイトでも紹介されている「インフルエンザの感染を防ぐポイント 『手洗い』『マスク着用』『咳(せき)エチケット』」を励行することでしょうね。
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/200909/6.html#section3
基本的な予防としては、「手洗い」「うがい」が一般的ですが、正しくできている人は意外と少ないかもしれません。
「手洗い」は、石鹼をよく泡立てて、30秒以上かけて手のひらだけではなく「手の甲」「つめ」「指の間」「手首」までしっかりと洗い、よく流すことが必要です。
「うがい」も、ウイルスが喉などの粘膜についてから感染するスピードは非常に早いので、こまめに複数回うがいをすることが望まれるそうです。
また、マスクも大事です。マスクは他から移されることを予防するというよりも、他の人に移さないための方策であり、重要なエチケットです。
もちろん、インフルエンザについては、予防接種も望まれるところです。仮に発症したとしても、予防接種したかどうかで症状の出方に差が出ると思われ、会社によっては、集団的に予防接種する態勢をとっておられるところもあるかと思います。ちなみに、当事務所でも全員が受けるようにしています。
さらに、以前に広島発の知的財産として本ブログでもご紹介した、広島大学の二川教授開発のEtakも、持続的な抗菌除菌作用のある発明として、非常に評価が高く、注目を集めているようです。
エーザイさんがEtakを使った抗菌化スプレーを出しておられ、最近よくCMをテレビで見るようになりましたが、その他にも、「持続的」というところを着目して、越智源さんの今治タオル、倉敷紡績さんの学生服等の衣服など、他分野で活用されているようです。
これから入試など個人的に大事な時期を迎える方も多いでしょうが、会社としても、感染者がたくさん出ないように危機管理することは経営上大変重要ですから、人事を尽くす上で、組織的に、上記のような基本的な予防策をとり、また、上記のような抗菌化製品をうまく使って、できることをこまめにやっていくことが望まれます。