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弁護士ブログ

子育て世帯への臨時特別給付の疑問点

2022.02.25|吉村 友和

 

 このコロナ禍の中、子育て中の世帯を支援するために支給が開始された、子育て世帯への臨時特別給付ですが、1 0万円を現金で給付するかクーポンにするか、一括で10万円にするか、所得制限の設定など、様々な問題があり   ました。

 行政の動きは素早く、昨年末頃から給付が始まっていますが、本当に子育てが必要な世帯に給付されているのか、 疑問のある事態も生じています。

 多くの自治体では、給付金を入金するのが、昨年9月末日の時点で児童手当が入金されている口座とされているようです。

 しかし、そうすると、たとえば児童手当の入金口座を夫の名義の口座にしている夫婦の場合、9月以降にとくにDVなどで妻が子を連れて別居に至った場合、子育てをしている妻に給付金が支払われず、子育てをしていない夫に給付金が支払われることになります。

 もちろん、給付金を受領した側に対して、「こっちに払え」と言ってそれで払ってくれるなら問題はないのでしょうが、そうはいかないケースが多いと思います。

 自治体によってはこのようなケースでは、子育て中の親に改めて給付したり、給付を受けた側からの回収を考えているところもあるようですが、一旦支払われたものを回収するのは容易ではないと思います。

 クーポンにすると費用がかさむなど、色々と問題点が指摘された制度ですが、早期の支援が必要なことは間違いなく、早期の給付は実現できたものの、制度趣旨に反した給付になっている部分があるのはいかがなものかと思います。

 本当に支援が必要なところへ給付されることを願うばかりです。

以上