カープと私【№8】
2016.12.01|中井 克洋
その後、プロ野球の世界ではフリーエージェント制とドラフトの逆指名制度が始まりました。
カープはもともとスカウトが、それほど注目されない選手を見つけてきては育てて主力にするというやり方でチームを作ってきました。
しかしせっかく主力として育てた選手が出ていくという時代になり、構造的に、優勝から見放される時代がきました。
1994年(平成6年)に巨人のメークミラクルがありましたが、その前年カープの主力投手だった川口が巨人に移り、11.5ゲームを後半にみるみる縮められていく時に、川口が大車輪で働きました。
それを見て、飛車、角が取られて相手の駒になる時代が来たので、もうカープが優勝することはないだろうとあきらめて、野球を必死にみることがなくなりました。
その上、ドラフトでも、有力な選手が逆指名するので巨人などにしか入らない時代が始まりましたので、さらに野球に興味がなくなりました。
その後、お金があるチームにいい選手が集まるという流れは、日本球界から大リーグにいい選手が移っていくという時代にもなっていきました。
その結果として、次第に野球が国民的スポーツの座をサッカーなどに奪われていきました。
また野球自体も、私たちのようにチームが勝つことに執着するファンが少なくなっていき、純粋に地域のチームを応援するファンが増えていきました。
そのため、昔は、巨人の試合が夜のテレビで必ず流れていましたが、今はもう放映されることはなくなりました。
またパ・リーグとセ・リーグとで人気の差もかなりありましたが、今は、リーグに限らず、 地元のチームを純粋に応援するファンが増えてきました。
球場の雰囲気もかわりました。
昔の市民球場は、激しい野次が飛び交って、女性や子どもが近づけないような雰囲気がありましたが、今のマツダスタジアムは、むしろ女性と子どもであふれており、変な野次を飛ばすと白い目でみられるような雰囲気になっています。
本当に時代がかわったものだと思います。
【つづく】