職場における悪質クレーム(不当要求、迷惑行為)と働き方改革【№2】
2018.02.26|中井 克洋
2 不当要求・悪質クレーム対策で必要なこと
私がこれまで多くの不当要求や悪質クレーム事案で対応してきた経験のなかで感じてきたことがあります。
(1) クレーム対応の方法
それは交渉や対応をするときに必要なことは、まずはクレームをいってくる人の誇りを大切にする、ということです。ここでの「誇り」という言葉は、「プライド」や「メンツ」にいいかえることができると思います。
人間は誰もが誇りをもって生きているので、それを傷つけられることでとても強いストレスを感じます。
ときには単純ないいがかりの場合があるかもしれませんが、たとえば受けたサービスについてクレームをいってくる人は、自分の期待に対して、実際に提供されたサービスが不足であったとき、その事実自体に不満をもつわけではないようです。むしろ正確には、そのような事実によって自分が軽んじられた、つまりつきつめると、誇りが傷つけられたように感じて不満をもつようです。
この「誇りを傷つけられた」ことに対して、それを元通りにできるような、代償措置(メークアップ)を求めるのがクレームです。
そして、その求める代償措置の内容が社会通念からみて過大であったり、求める方法が社会通念からみて過度なときに、そのクレームが「悪質」あるいは「不当」と評価されることになります。
このようにクレームの原因が「誇り」にあることからすると、それに対応するときに留意すべきことは、クレームをいってくる人の「誇り」をできるだけ大切にするようこころがけることです。そのクレームが悪質・不当であろうがなかろうが、対応する側のそのこころがけはかわりません。
その誇りを大切にするための具体的なやり方は、
① 相手のいうことを確認する
② きいた話をふまえて、こちらがどこまで対応するかについて検討する
③ その検討結果を相手に伝える
という段取りをふむことです。
これだけきくと、なんだ当然のことじゃないか、と思うかもしれませんが、いざ実際にやろうとすると、案外難しいものです。
ブログですので、その詳細まで紹介する余裕はありませんが、研修などでご紹介しますので、興味のある方は当事務所までお問い合わせください。(続く)