交通事故(代車料について)【№1】
2016.08.01|根石 英行
事故に遭って車が壊れたので乗ることができなくなってしまっても、修理や買替がすぐにできるわけではありませんから、代車が必要になってきます。この代車料についても被害者側から見るとどうなんだろうかと疑問に思う取り扱いがなされています。
まず代車料は、実際に代車を使ってお金を払うか、具体的に請求を受けている、ということが必要で、車が使えなかった、というだけでは認められません。さらに厳しいのは、事故にあった車が使えないとしても、代替の公共交通機関を使うことができ、それが代車料より安いなら、その交通費しか損害と認めない、という屁理屈っぽい考え方をするのです。これは被害者から見たら「えー?」という考え方でしょう。しかし、代車料を請求するためには、公共交通機関では間に合わず、車をどうしても使う必要があったと、被害者の側で説明しなければならないのです。保険会社との交渉段階では、この必要性についてあまり問題とされていなくても、これがいざ裁判になると、裁判所はこのように非常に形式的な考え方を持っていることに注意しなければなりません。
代車料で深刻な問題が生ずるのは、その期間です。
(つづく)