カープと私【№9・完】
2016.12.06|中井 克洋
実は、私は今、日弁連や広島弁護士会の民事介入暴力問題対策委員という立場にあることから、野球界において健全な観戦環境を実現するために全国の各球場から暴力団等反社会的勢力を排除する活動に関わっています。
このような形でカープや野球に関わっているのも、これまでの私の人生との関係で考えると因縁を感じます。
この25年間は、中学、高校、大学のころのように、この一試合で勝負が決まるというような緊張した試合を見ることが出来なくなりましたので、正直言ってそこまで野球自体を必死で見ることはなくなりました。
トーナメントと違ってどうしもてリーグ戦の長丁場は戦力の差が1年経つとどうしても出てきてしまうので、戦力の薄いカープは最後には脱落していくのです。
戦力自体は昨年までとは変わらず、むしろ投手陣でいうとマエケンがドジャースに行ってしまったため落ちたと思っていました。
しかし若手の選手、特に田中、鈴木が力を発揮するとともに、菊池、丸がとても活躍するようになっています。
つまり若い選手の力が伸びており、ちょうど昭和50年の時の雰囲気を思い出します。
ここ25年間、カープが負けて悔しいと思うこともなくなっていましたが、今年は久しぶりに一投一打に緊張するような試合をみせてもらうことができて、昔のよかった時代を思い出しました。
ただ昔と違うのは、親のような気持ちで、選手たちをみていることです。カープの選手もそうですが、相手の選手もケガなどをして、ベンチに退くと、大丈夫かなと心配になります。
昔は相手のチームの選手が怪我やスランプに陥ったら、ラッキーだと思ってました。
しかしこの年になると、野球も仕事の1つであることがわかっていますし、選手が子供たちの世代になってきたので、相手のチームであれカープであれ、ケガをした選手をみると、「この子大丈夫かな。長引かなきゃいいな。」と思います。
とにかく選手には怪我がないようにがんばってほしいと思いながら、カープを応援していきます。
【完】