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弁護士ブログ

「古葉さん安らかに(T_T)」

2021.11.17|甲斐野 正行

    さいとう・たかをさん、白土三平さんと訃報が続きましたが、古葉竹識元広島カープ監督が今月12日に亡くなられたことが昨日報道されました。

 最近のご健康については存じ上げませんでしたので、突然の訃報に驚いてしまいました。

 古葉さんは、昭和50年のカープ初優勝時の監督であり、その後も昭和54年、55年、59年の3度の優勝と日本一をもたらした方で、広島の人間にとっては、経済効果も含めてその貢献は計り知れない大きなものがありました。

 カープは昭和50年以前は、最下位が定位置のような弱小チームであり(現に昭和47年~49年は3年連続最下位)、子どもながら熱心なファンであった私は、毎年の開幕前ペナントレース予想で、カープがダークホースとか言われるだけでも嬉しく思ったものです。もっとも、今思うと、3年連続最下位のそのころでも、野手では山本浩二、衣笠、三村、水谷、水沼、投手では外木場、池谷、佐伯、金城といったところが揃い、優勝候補などとはおこがましくていえないとしても、それなりのチームになりつつあったのでしょう。
 そこへ、昭和50年からルーツさんが監督になって、赤をチームカラーとして打ち出してチームの雰囲気を変え、開幕早々に審判やフロントとのトラブルでルーツさんが退任した後を古葉さんがうまく引き継いで、赤ヘル旋風を巻き起こし、初優勝に導いたわけです。

 新幹線が広島まできて、遠征が楽になったというのも大きかったという話もありますが、古葉さんが南海時代にドン・ブレイザーから薫陶を受けたメジャー的な戦法や考え方を持ち込んだのも大きかったはずです。
 肥後もっこすで頑固な人と言われますが、高橋慶彦、山崎隆造、正田耕三といったスイッチヒッターを作り出して隙の無い走る野球を展開したのは、当時のプロ野球の間違いなく最先端を行っていたと思われ、極めて進取の気性に富む方だったと思います。

 古葉さんは、昭和60年に優勝を逃して2位になったのを最後に退任されたのですが、思うと、それからもう40年以上経っているのですね。
 今のカープの監督・コーチ陣ですら、入団が古葉さん在任中なのは、1983年入団の植田2軍バッテリーコーチくらいで、古株のように思える河田コーチ、高二軍監督にしても古葉さん退任の翌年1986年入団ですから、古葉野球を直接学んだ人もほぼいないわけです。
 若いファンや選手には古葉さんや古葉野球というのはよく知らない遠いものになっているでしょうね。

 退任の前年には日本一になっていて、昭和60年も阪神と優勝争いをして2位になっているのですから、それで退任というのもどうかと思われるのですが(必ずしも円満な退任ではなかったように記憶しています)、当時を振り返ると、古葉さんが監督になって11年が経ち、優勝しても観客動員が伸びず、今にして思うと贅沢な話ですが、古葉野球に飽きたという言い方がされることもあったように思います。

 公式発表では退任当時のカープの観客動員数は主催試合65試合で100万人を辛うじて超えていましたが(昭和50年ですら120万人で、前年の倍になり、初めて日本シリーズを制した昭和54年に145万人余りに達しましたが、それ以上は伸びず、昭和60年が105万人余り、日本一になった昭和59年でも110万人で、セリーグ6球団中最少)、当時はプロ野球観客動員数は正確な実数を発表しておらず、かなり水増ししていたと言われており、当時の映像を見ても分かるように、旧市民球場はガラガラで、実数はその7掛けか6掛け程度、あるいはもっと下?だったのではないかと思います。
 昨今は観客動員数は正確な実数を公表することになっており、コロナ禍による入場者数制限の中でのカープの観客動員が、去年が主催試合60試合で53万人余り、今年が主催試合72試合で97万人余り(いずれも12球団トップ)でしたが、テレビ映像で見た目、マツダの客席状況は、旧市民球場時代の客席状況よりも入っているように見えましたから、当時の実動員数は公表数よりかなり少なかったはずです。

 しかし、旧市民球場は正直なところとても酷い状態で、ロッカーもまともに整備されていなくて、選手が着替えるスペースにも苦労するなど、カープの選手からしてもビジターの他球団の選手に肩身の狭い思いをしていたそうで、観客も酷いヤジを飛ばすおじさん達ばかりでしたから、客が来ないのも宜なるかなでした。
 その実態は、以下の動画でも語られています。

 フルタの方程式
https://www.youtube.com/watch?v=NQJa9oDFYuM

 燃えドラCH 川上井端のすべらない話
https://www.youtube.com/watch?v=yi3GMyPZkyk

 マツダスタジアムが出来てからの球場環境や、カープ女子にフューチャーした盛り上げ、何かと限定販売する記念Tシャツ商法やグッズ商法とかで入場料収入や放映権収入を補っているところを考えると、当時の球団経営には努力不足があったはずです。
 また、アメリカでは、球団を抱える市や州の責任が重く考えられ、フランチャイズ球団に去られることは大きな恥とも受け取る向きもありますが、観光や経済効果を考えても、特に初優勝以降のカープ球団という財産の活かし方については市や県としても工夫すべきところがあったのではないかと、今になっては思うところがあります。

 その意味では、古葉野球に飽きたとかというのは筋違いのように思いますし、その後は2016年からの3連覇に至るまでは、1986年と1991年の2度のリーグ優勝だけで思うように成績があげられなくなって低迷したことを思うと、もしかしたら、古葉さんの退任で大きなものを失ったのかもしれません。

 古葉さんには長く楽しませて頂きましたことをお礼申し上げると共に、ご冥福をお祈り申し上げます。

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